フランスワインの格付け



フランスワインの質の高さや知名度、洗練されたワイン文化はやはり世界一です。さらにフランスは国を挙げてワインの品質の維持や向上に努めており、AOC法(原産地呼称統制法)が制定されています。

AOC法とは、1935年に定められたワインの格付けを規制したもので、規定に合格したワインはその生産地を名乗ることができるという法律です。フランスが世界ナンバーワンのワイン大国としての地位を確立できたのは、このワイン法を他国に先駆けて制定したことが要因といってもいいでしょう。

●フランスのワインの法律上4つのカテゴリー

・AOC(原産地統制名称ワイン)

AOC法に基づき、原産地・ブドウの品種・栽培法・醸造法・アルコール度数などが厳しく審査され、それに合格したもののみがAOCを名乗ることができる最高級ワインです。原産地名は地域が細分化されるほどに生産基準が厳しくなるため、ワインの品質や格が上となり価格も高くなります。

・AOVDQS(原産地名称上質指定ワイン)

AOCの次にランクされ、規定はAOCのそれよりは比較的ゆるやかに定められています。原産地呼称国立研究所(INAO)の保証マークがつきますが、全生産量の2%程度に過ぎず、ほとんど売場では見かけません。

・VDP(Vins de Pays/限定地域ワイン)

限定された地域で生産されるいわゆる地酒のことです。生産地名を明記することが義務付けられ、ほかの産地のものとのブレンドは禁止されていいます。最近AOCに勝る高品質のものも出てきています。

・VDT(Vins de Table/テーブルワイン)

原産地・ブドウ品種名・収穫年が無記名のワインのことです。全体の40%はこれになります。複数の産地や原産国のワインをブレンドしたもので、アルコール度数の表示が義務付けられています。

以上が、フランスの法律で規制されているワインの格付けですが、これらを基にするとフランスワインの頂点に立つワインは、畑の名前を名乗れるワインということになっています。その一つがスパークリングワインの「ロマネ・コンティ」(ブルゴーニュ地方)で、良質のものは1本100万円を超えることもあります。

●フランスワインの産地(12の地区)

・シャンパーニュ地方

この地方で造られたスパークリング・ワインだけがシャンパンを名乗ることができます。モンターニュ・ド・ランス地区、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、コート・デ・ブラン地区が有名です。

・アルザス地方

全体の95%が辛口白ワインで濃厚で香り豊かなワインが人気です。AOC名が地域名でなくブドウの品種名で、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ、シルヴァーネル、ピノ・ブランのどれかが単独で使用されています。

・ロワール地方

白ワインを中心に赤・ロゼ・スパークリングワイン・極辛口・極甘口など、ほとんど全ての種類のワインを生産しています。アンジュー&ソーミュール地区ではロゼワインの生産が主ですが、白ワインや発泡性ワインも人気があります。トゥーレーヌ地区では良質の白ワインや発泡性ワインが造られ、中でもシノン村はロワール地方を代表する赤ワインを産出しています。

・ジュラ

スイスとの国境近くにある約2000haの地域で、この地方独特のワインが生産されています。最も有名なAOCはアルボワでロゼ・ワインを中心に、赤、白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユが産出されています。独特な風味のあるヴァン・ジョーヌを造っているシャトー・シャロンは有名です。

・ブルゴーニュ地方

ボルドーと双璧をなすフランスの銘醸ワイン産地です。複数のドメーヌ(ブドウ畑の所有者)で畑を分割所有しているケースが多く、こういったドメーヌでは栽培・醸造・瓶詰めまでを一貫して行うので、同じ畑名でもドメーヌの個性が出ています。主な生産地としては、ブドウの風味が香るフルーティーな赤ワインが産出されるボージョレ地区、新鮮であざやかなワインが産出されるマコネー地区、口当りのいい赤ワインが産出されるコート・シャロネーズ地区、穏やかな赤ワインと良質な白ワインが産出されるコート・ド・ボーヌ地区、高品質な熟成型赤ワインを産出するコート・ド・ニュイ地区、繊細な辛口白ワインを産出するシャブリ地区が有名です。

・サヴォワ

レマン湖の岸とローヌ川、イーゼル川沿いに点在する約1500haの産地で、白ワインが全体の70%を占め、残りは赤とロゼを生産しています。

・ボルドー地方

AOCワインを95%産出し、フランス全体のAOCワインの約3分の1を占めるワインの銘醸地です。主な生産地は、赤ワインの代表的産地であるメドック地区、なめらかな味わいの赤ワイン、辛口の白ワインを産出するグラーヴ地区、シャトー・ディケムで世界的に有名な貴腐ワインが造られるソーテルヌ地区、個性的なワインが産出されるサンテミリオン地区、特有の香気を持つ深紅色のワインを造り出すポムロール地区が有名です。

・コート・デュ・ローヌ地方

主な生産地は、力強いコクのあるワインを産出する北部のコート・ロティ地区、クローズ・エルミタージュ地区、エルミタージュ地区、コート・デュ・トリカスタン地区、アルコール度の高いスパイシーなワインを産出するジゴンダ地区、シャトーヌフ・デュ・パプ地区などがあります。

・南西部

ブドウ畑はガロンヌ川およびその支流の流域とピレネー山麓の2つに分かれています。主な生産地は、タンニンが多く十分なコクとはっきりした個性を持つ「黒いワイン」を産出しているカオール地区、バスク地区、ベアル地区、ペリゴール地区が有名です。

・ラングドック・ルーション地方

43万ha以上に及ぶ世界最大の生産地で、フランスのテーブルワインの3分の1を産出しています。AOCクレレット・ド・ベルガルドという白ワイン生産しているガール地区、品質の高い赤ワインを産出するミネルヴォワ地区、コルビエールとフィトー地区、濃厚な赤ワインなどが造られているルーション地区、フランス最古のスパークリング・ワインを産出するリムーなどがあります。

・プロヴァンス地方

酸味のやわらかい辛口ワインを産出するカシス地区で、熟成向きワインを産出するバンドール地区が有名です。

・コルス

個性の強い赤ワイン、ロゼ・ワイン、少量の白ワインが生産されています。赤は香りが強くフル・ボディで、白ワインは果実味あふれるフレッシュなタイプで、どちらも早飲みに適しています。

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